【背負い心地に問題あり?】EVERGOODSのPLC20をレビューする

EVERGOODS

詳細

  •  価格:24,200円
  •  容量:20L
  •  重量:1,133g
  •  寸法:45 x 18 x 17cm 

概要

PLC20はevergoodsが販売しているクラムシェル型のバックパックで、容量は20Lと日常の持ち運びに適している。

同社のクラムシェル型のバックパックと言うと、CPLシリーズが思い浮かぶが、それと比べるとノートパソコンスリーブが単独ではなくなっていたりと、よりシンプルな設計になっている。販売価格についても、CPL24の34,100円に対して、PLC20は24,200円とお求めやすくなっている。

重量は1,133gとこのサイズのバックパックにしては重めで、できれば1㎏を切ってほしいところ。しかし、その分頑丈な素材やパーツが使われていて、とてもよく作られたバックパックと言える。

カラーはブラックとネイビーの2色で、僕が購入したのはネイビー。このネイビーは写真によってはブラックのように写っていることがあるが、実物はしっかりネイビーだ。

素材

  • 本体:1680D バリスティックナイロン
  • ライニング:420D HTナイロン PUコーティング
  • ショルダーパッドフォーム:Zote EV50
  • フレームシート:HDPE
  • ジッパー:YKK #8RC / #10RC 

PLC20には本体の素材として、1680Dバリスティックナイロンが採用されている。これはevergoodsの他のバックパック、CPL24v1、v2などに採用されている500Dコーデュラナイロンとは異なる質感で、個人的にはこちらの方が好み。

500Dコーデュラナイロンはホコリや汚れが付きやすいのが弱点なのだが、1680Dバリスティックナイロンはホコリがほとんど付かないので、常に美しい見た目を保ってくれる。

裏地の色は明るいグレーになっていて、視認性が高い。

ジッパーにはYKKの大きめの物が採用されている。開閉感は固めでセキュリティ的には良いのだろうが、若干の使いにくさを感じる。

スタイル

正面

正面はフロントポケットのジッパーと、右下にevergoodsのブランドロゴを模したワッペンベースがあるのみのシンプルな造りになっている。ワッペンベースには市販や自作のベルクロワッペンを貼り付けることができる。

トップ

バックパックの上部には持ち手が付いている。中には固いフレームが入っていて持ちやすいが、指と本体の間の隙間があまりなく狭いと感じることもある。両端にもスペースがあって、カラビナなどをひっかけることができる。

側面

側面には長いジッパーが通っているだけで、他には何も無く、ウォーターボトルポケットは付いていない。なので、水筒、ペットボトル、折りたたみ傘は別の場所に収納するしかなく、ここは好みが分かれるところかもしれない。

ジッパーの下端にあるループには何かを引っかけることができるのと、ジッパーを閉める時の持ち手にもなる。

左側面も、右側面と同様で何も無し。

底については、しっかりとしたフレームが入っていて、バックパックの中身に関わらず自立する。ここは良いところだ。

ショルダーストラップ

ショルダーストラップにはZOTEFOAMSのクッションが入っている。これはevergoodsのバックパックに採用されているクッションで、肩にかかる荷重を分散して背負い心地を良くする効果があるのと、経年劣化もほとんどないのが特長としている。

触った感じはフカフカしていて良くできているのだが、このショルダーストラップは曲者で、背負っているうちに肩の外側へ移動していく感じがある。設計上のミスなのかは不明だが、ストラップがどんどんずり落ちていくような感覚で、背負い心地はあまり良いとは言えない。

チェストストラップを装着すればこのずれる感じは解消されるのだが、バックパックの重量が軽い時にも常にチェストストラップをしなければならないのは良くない。

体格によっても変わってくるのだろうが、アメリカの掲示板「reddit」でも同じことを指摘している人がいるので、どうやらこれはPLC20が抱える問題であるらしい。購入を検討している人はこのことに留意しておいた方がいいと思う。

背面

背面は通気性のある素材になっている。

他社のバックパックでは背面にはメッシュの素材を採用して通気性を確保することが一般的だが、evergoodsではそうすることなく独自の構造を採用している。その理由としては、メッシュのような素材では、evergoodsの求める耐久性の基準を満たさないからとのことで、この背面パネルの開発には3年の期間を要したらしい。evergoodsの製品開発に対する姿勢を感じる、素晴らしいポイントだ。

収納

トップポケット

トップにはポケットが付いているが、このポケットはかなり浅くて、多くの物を収納することはできない。深さ的にはスマホを横向きに収納したらそれで一杯な感じ。

フロントポケット

トップポケットの小ささに対して、このフロントポケットはかなりの大きさがある。このポケットはかなり便利で、「とりあえずここに入れておく」的な使い方で、水筒、折りたたみ傘や上着を収納したりと多くの用途で使うことができる。個人的には、他のバックパックでもこういうポケットがあったらいいのにと思える。

メインポケット

クラムシェル型だけあって、ガバっと大きく開くことができる。

メインポケット内の収納

16インチまでのノートパソコンに対応するスリーブが付いていて、その手前にはタブレットやペンを入れるポケットがある。

僕が体験したわけではないのだが、redditのユーザーによると、このタブレットのポケットは大きさが中途半端らしく、11インチのタブレットにケースを装着した状態だと入らなかったりするようだ。人によっては、ペンを入れるポケットの縫い目を切ってしまって、ひとつのポケットにして使っている人もいるよう。

こちらにはポケットが2か所あり、小物の収納に適している。

気になる点として、メッシュのポケットは途中で仕切りがあるのだが、これは使いにくい。小物の整理のために設けられた仕切りだと思うのだが、これのせいで入らないものがあったりして、個人的にはむしろ無い方が嬉しい。

結論

高品質な普段使いのバックパックを探していて、ノートパソコンを毎日持ち運ぶわけではない人におすすめできる。

ノートパソコンの持ち運びを重要視しているなら、PLC20ではなく、同メーカーのCPLの方が適していると感じる。なぜなら、ノートパソコンの持ち運びについては、ノートパソコンスリーブが単独で備わっているバックパックの方が便利だからで、このバックパックのようなメイン収納の内側にスリーブがあるタイプだと、パックの中身が一杯になった時にノートパソコンの出し入れがしにくくなる。

PLC20はショルダーストラップのずれる問題と、微妙に使いずらい内部のメッシュポケットがあったりと改善点はいくつかある。それでも優れた素材、パーツを使った優れたバックパックであることは間違いないし、多くの人におすすめすることができる。