詳細
- 価格 46,200円
- 容量 28L
- 重量 1,770g
- 寸法 H48 × W33 × D19(cm)
概要
AerのTravel Packはその名の通り、旅行用に作られたバックパックだ。ミニマリストのようにできるだけ荷物を減らし、スーツケースを持たずにカバンひとつで旅行することを海外ではワンバッグトラベルと言うが、その目的に適したバックパックになる。
容量は35Lと28Lの2種類が販売されていて、僕が購入したのは28Lのsmall。大きい方が高機能ということはなく、どちらも機能的には同等で、単純に容量の違いだけになっている。
このバックパックは他のブロガーが書いた「ワンバッグトラベルにおすすめのバックパック」のような記事を読んでいると、大抵登場する。海外のサイト「Pack Hacker」のレビューでは、バックパックカテゴリ内での最高得点である9.2(smallは8.6)を獲得するなど、多くの人からの支持を受けている。
しかし非常に高額で、日本の公式サイトを見るとTravel Pack3 smallは46,200円である。バックパックひとつに5万円近い金額を払える人は多くなさそうと感じる。
ちなみにAerの商品は日本の公式サイトより、本国アメリカのサイトで購入した方が安くなる。ただし残念なことに、アメリカでの販売価格は229ドルなのだが、昨今の円安の状況ではあまり安くならないのが辛いところ。
スタイル
機能
Aer公式サイトより引用
- 1680D コーデュラバリスティックナイロン 使用(外部)
- YKKジッパー
- DURAFLEXプラスティックハードウェア使用
- パッド付きPC用ポケット(対応サイズ:16インチ)
- パッキングしやすい大容量のレイフラットストレージ
- 安定性と安全性を高めるためのマグネット
- ファスナー付きコンプレッションストラップ
- 貴重品が取り出しやすいトップ及びサイドポケット
- 快適性をサポートするロードリフター
- 多目的な持ち運びが可能なハンドル
- 拡張可能なウォーターボトル用ポケット
- スマートトラッカー用隠しポケット
- 構造をサポートする内部のフレームシート
- Hip Beltの付着点 (別売り)
- ラゲージハンドルパス
- ロック可能なジッパー
smallは旅行だけでなく日常使いもしやすい。側面のコンプレッションベルトを締めることでコンパクトになるのもいい。
作りはとてもしっかりしていて質感が高く、所有欲を満たしてくれる。それに色々なところにポケットが付いていて機能が満載で、まさに全部入りのプレミアムなバックパックという印象。
背面には通気性を良くするメッシュと、スーツケースの持ち手を通すためのループが付いている。
ショルダーストラップについてはかなり幅広・肉厚で、安価なバックパックと比べると歴然とした差がある。背負った時に体の負担になりにくい、重さを感じにくいような作りになっていて、個人的に背負い心地は色々なバックパックの中でナンバーワンだと感じる。
またショルダーストラップについて地味ながら良い点としては、余った紐がブラブラしないように留めておくゴムが最初から付いていること。紐がブラブラするのが許せない僕のような人にとってはとても嬉しい。
重い
このバックパックの一番の難点は重いということ。
ポケットや機能を詰め込んだ分、重量もプレミアムで何も入っていない状態でも1.7kg近くある。smallでないバージョンはさらに重くて1.9kgもする。
背負った時に重く感じにくいようになっているとはいえ、バックパックだけでこの重さは体への負担が大きい。それに、LCCを利用して預け荷物無しで旅行する時、手荷物の7㎏という制限をクリアするのが難しくなる。
他のバックパックだと同じぐらいの容量でも1kgちょっととか、軽いと1kgを切るようなバックパックもあって、それらと比べるとカバン本体だけで500gぐらい重くなってしまう。この差で、重量制限をクリアするために荷物を減らす必要があったり、お土産を買えなくなったりする。
ただ重さを変えることはできないので根本的な解決にはならないが、その問題への対応として、ポーチ類を使わないという方法がある。例えば、ガジェット類や小物をひとまとめにしてポーチに入れている人は多いだろう。しかし、Travel Pack3 smallは収納がたくさんあるので、そういったポーチを使わなくてもきちんと整理して収納することができる。ポーチはそれ自体で100gとか200gは重さがあるが、使わないことでその重さ分得したと言えなくもない。
トラベルパックといいながら、旅行に使いにくい要素もあるのがなんとも惜しいところだ。
それとポケットや収納が多いのはメリットであり、デメリットでもある。
デメリットの1つ目は、どこに何を入れたか忘れてしまい、探すのに時間がかかってしまうことだ。ただ、これは自分なりのルール、例えば、ここにこれを収納するというようなものを決めてしまえば解決する。
2つ目は、収納の数が過剰になってしまうこと。これだけたくさんのポケットがあって、使いこなせる人はいいとして、おそらく多くの人はそうではない気がする。使わないポケットは余分な布やファスナーを使う分、カバン自体の重さに繋がる。
素材
素材は1680DバリスティックナイロンとX-pacでできているものの2種類があって、僕が購入したのはX-pacのバージョン。X-pacの中でもVX42という生地が使用されていて、耐水性に優れるのはもちろん、特に強度と耐摩耗性が高くなっている。触った感じは固めで、ホコリが付きにくいのが嬉しい。
ファスナーはYKKで、サイドと内部のポケット以外は止水ファスナーになっている。X-pacの生地との組み合わせにより、小雨ならびくともしないであろう頼もしさがある。しかし、止水ファスナーは開閉に固さがあり、歩きながら物を取り出す時などに多少のストレスを感じる。
また、プラスチックのパーツはDuraflex製で、チェストベルトとコンプレッションベルトには磁器バックルが採用されている。磁器バックルの使用感としては、付ける時にワンタッチで済み勝手に外れることもないので便利ではあるが、通常のバックルと比べて明らかに優れているというほどでもないように感じる。見た目はとてもスマートで良い。
収納
トップポケット
トップにはすごく肉厚で持ちやすいハンドルとポケットがある。このポケットは内側が起毛感のある生地で、収納した物に傷が付きにくいようになっている。スマホやサングラスなどを収納するのに役立つ。
フロントポケット
フロントポケットは本体の中心から下半分がスペースになっていて、結構な大きさがある。脱いだ上着を入れたりと、とりあえずここに入れておく的な使い方ができる。内部にはキークリップが付いていて、鍵の収納にも便利。
フロントコンパートメント
フロントコンパートメントには、Aerのバックパックにお馴染みのたくさんの仕分けポケットがある。モバイルバッテリー、ペン、タブレットなど日々持ち歩く物を整理して持ち運ぶことができる。
メイン収納
メイン収納はファスナーががばっと開くのでパッキングがしやすい。内側にはメッシュポケットがひとつと、側面にもポケットが付いている。
左側面のポケット
左側面には細長いポケットがある。背負っている状態から右肩を外して、体の前に持ってきた時にちょうどアクセスしやすい位置なので、ワイヤレスイヤホン、財布などの取り出す頻度が多い物を収納するのがいい。ただ大きさはそんなになく、たくさんの物を入れることはできない。
ボトルポケット
右側面にはボトルポケットがある。このポケットはファスナーを開けると中がメッシュになっていて、大きなボトルでも収納することができる。使わない時はファスナーを閉じておくと小さく折り畳める。
ノートパソコンスリーブ
ノートパソコンスリーブは16インチのノートパソコンでも収納できるぐらいの大きさで、クッション性もあり、収納した物を保護してくれる。
ノートパソコンスリーブの上部にはポケットがあり、ここにはノートパソコンの充電器などのガジェット類を収納するのに便利だ。
結論
作りの良さ、耐久性のある素材・パーツ、たくさん詰め込まれた機能など魅力が多いバックパックだが、それゆえかなりの重量になってしまっているのが残念に感じる。ただ重量以外はほぼ完璧で、他に気になるところといえばファスナーの固さぐらいしかない。総合的にはものすごくよくできたバックパックだと強く思う。
日常使い・旅行に使えるバックパックを探しているなら、これ以上の物は無いといっても過言ではないぐらいだ。
個人的にはもう少し機能を減らしてその分軽い物が理想と思っていたら、同じAerからCity Pack Proが販売されている。これは22LとTravel Pack3 smallよりも少ない容量だが、重さ1,180gとかなり軽くなっている。Travel Pack3 smallの重量が気になる人はこちらもチェックしてみるといいと思う。
2023.5.28追記:City Pack Proをレビューしました。