ベトナム、ホーチミンのベンタイン市場でコピー商品を値切る

ベトナム

ベトナムのホーチミンにベンタイン市場という巨大な市場がある。ホーチミンの中でも有名な観光スポットとなっていて、たくさんの観光客が訪れる。

店先にいるのはほとんど女性である

中には食品、コーヒー、衣服、偽物のブランド品などが売られている。歩いていると「オニーサン、Tシャツ」などと次々と声を掛けられる。彼ら彼女らは日本人と見ただけでわかるらしい。体を掴まれたりもして、強引な客引きを体験することができる(笑)

売り物を眺めているだけでも楽しいのだが、せっかくなので買い物をしてみよう。

値段交渉

まず、はじめに知っておかなければならないのが、この市場では相場よりもかなり高い金額をふっかけられるということ。商品には値札がついてなく、金額は店員との交渉になる。

交渉は日本語と、片言の英語で問題ない。ベトナム語が話せたらベストなのだろうが、無理である。店には電卓が必ず置いてあるので、それを使って金額のやりとりをする。

普通に「高すぎる」「あかん」と日本語で話せばよい。言葉はわからなくても態度でこちらの言いたいことは伝わる(これが結構面白い)。ちなみに僕は関西人なので、こういうやりとりをすることに抵抗はない。

この市場では、値段交渉をする前提の金額を店員は提示してくるので、交渉をしなければ高い金額で買うことになる。なので、交渉はしなければ損。気の弱い人、押しに弱い人にとってはしんどいかもしれないが、頑張ってチャレンジすべし。

実際のやり方としては、まず自分の買ってもいい金額を相手に伝える。最初からその金額にはならないので、納得できるまで粘る。金額が下がらなくなってきたら帰るふりをする。これがかなり有効で、帰ろうとすると、大体引き止められる(笑)

少しでも利益があるならば、客を逃がすより売ってしまった方がいいというのが、東南アジアの商人の考え方らしい。

ただ、相手も生活がかかっているのでやりすぎはよくない。ある程度値段が下がったら、ほどほどで妥協するべき。売り手も買い手も満足して取引を終えられるのが理想だ。

※偽物のブランド品を購入して日本に持ち帰るのは違法です。

腕時計

市場の中には多くの時計店があり、ロ〇ックスやオ〇ガといった高級ブランドの腕時計が並んでいる。だが言うまでもなく、これらは全て偽物である。

偽物は、一目見てわかるような粗悪な物から、素人では判別できないであろう質の高い物もある。「質の高い偽物」というと違和感を感じるかもしれないが、わかる人にはわかるはず。

おばちゃんが店番をしている店で、試しにロ〇ックスのサブマリーナーの値段を聞いてみたところ、「300万ドン」とのこと。日本円にすると約15,000円

写真はイメージです

高いと思ったので、交渉したところあっさりと100万ドン(約5,000円)まで値段が下がった。言い値の3分の1である。

マネークリップ

財布についても、ものすごい数の偽物が並んでいる。〇ィトンのマネークリップの値段を聞いてみたところ、180万ドン(約9,000円)と言われた。

写真はイメージです

高いと思ったので、電卓に30万ドン(約1,500円)と打ち込んでみたら、店員のお姉さんにすごく不機嫌そうな顔をされる。この商品は質が高いから、そんなに安くすることはできないと、目の前でライターに火を付けて、マネークリップに火を近づけた

一瞬面食らったが、これはそういうパフォーマンス。火であぶっても大丈夫なのが、質が高い証、ということらしい。たしかに火の当たったところは熱くなっているものの見た目は全く変化がない。どういう加工なのかはわからないが、たしかによくできている。

粘り強く交渉を続けたところ、「オニイサンダケ」と30万ドンでOKになった。最初の言い値の6分の1まで下がっている。

繰り返しになるが、偽物のブランド品を購入して日本に持ち帰るのは違法である。

キーケース

マネークリップとは違う店で〇ィトンのキーケースの値段を聞いてみた。オネエっぽい男性が店員から160万ドン(約8,000円)と言われた。

写真はイメージです

さっきの店ではマネークリップが30万ドン(約1,500円)まで下がった。だからこのキーケースも同じくらいの金額でいけるだろうと、20万ドン(約1,000円)と電卓に打ったらオネエ店員が怒り出した。笑

おそらく「何言ってるの」「そんなに安くはできない」と言っているのだろう。こっちが下げてるんだから、お前も上げろと電卓に120万やら打ってきた。でもこちらとしてはマネークリップが30万ドンまで下がると知っているのだ。このキーケースも同じくらいの金額になるはず。

何を言われてもひたすら電卓に20万を打ち続けていると、いよいよオネエ店員が怒り出した。ブチギレである。何やらこちらを罵っているように聞こえる。笑 交渉と言えなくなってきたところで、オネエ店員の母親であろうおばちゃんが出てきた。

オネエとおばちゃんのふたり相手に数的不利を感じながらも、20万で押し続けるが値段が下がらない。向こうは80万ドンとか言っている。いい加減疲れてきたので、ここで帰る振りをする。このまま帰ってもいいやと思ってたら、なんと引き止めてきた。僕のことは気に入らないが、どうしても売りたいというのがひしひしと伝わってくる。

最終的には 「もうええわ」という感じで20万ドン(約1,000円)でOKになった。この値段でも利益があるのだから、一体原価はいくらなのだろうか…。おそろしい…。

しかし、相手を怒らせてしまってはいけない。安くなってこちらは満足でも、相手が不満足ならそれは良い取引とは言えない。やはり、お互いにWinWinの取引を目指すべき。

繰り返しになるが、偽物のブランド品を購入して日本に持ち帰るのは違法である。