普段、ゲーム、漫画、映画などで銃の射撃シーンを目にする機会は多いと思うが、実際に撃ったことのある人はほとんどいないのではないだろうか。せっかく海外に来たのだから、日本では体験できないアクティビティとして、実銃射撃をしてみるのはいかがだろう。
プノンペンには、ハヌマンシューティングレンジという射撃場があり、そこでは専門のインストラクターから正しい姿勢や安全対策について学び、さまざまな銃器を使って射撃することができた。この記事では、ハヌマンシューティングレンジでの体験を詳しく紹介する。
ハヌマンシューティングレンジ
場所
市内の中心からは13㎞近く離れており、結構遠い場所にある。所要時間はトゥクトゥクを使って約30分、金額はGrabで約600円だ。周辺に飲食や買い物のできる施設はほとんど無いので、事前に市内で済ませておくことをおすすめする。
システム
建物に入るとすぐ目の前にカウンターがあり、そこで受付をする。受付の頭上には価格表が大きく書かれている。銃器をピストル、サブマシンガン、ライフルの3種類の中から選ぶのと、弾薬の数を決める。
3種類の銃がセットになったパッケージがあり、これはわかりやすくて良いと思う。弾数が増えると金額が高くなり、3種類が10発ずつの一番安価なパッケージで60$、一番高価なのだと50発ずつで370$。金額的には安価ではなく、そこそこするという印象。
壁にはずらっと銃器が飾られていて、日常ではまず目にすることのない光景だ。
売店
建物内には売店があり、ミリタリーウェア、ホルスター、防弾チョッキなどのグッズを購入することができる。実銃や弾は売っていなかった。
実際の射撃体験
コースを選択したら専用のインストラクターが付いてくれるので、その人の案内に従って建物内を移動する。
まず武器庫のような部屋で使用する銃器と防音用のヘッドホンを受け取り、そして射撃場へ移動する。
射撃場は写真のような射撃用のスペースが多数横に並んでいて、後ろには荷物を置くスペースがある。設備は新しく、しっかりと管理されているという印象を受ける。足元にはたくさんの薬莢が落ちている。
僕が選んだのは60$のコースで、ピストルが2丁と、ライフルを1丁撃つことができた。ピストルについては、.22ロングライフル弾と9x19mmパラベラム弾の2種類の弾がある。
今思えば、パッケージ選択の写真では9mmの弾のところはサブマシンガンの絵が描いてあったので、本来はサブマシンガンを撃てたのかもしれないが、この時はピストルが2丁だった。
射撃はピストル(.22ロングライフル弾)→ピストル(9x19mmパラベラム弾)→ライフル(5.56mm弾)の順番に進行していき、どんどん弾の威力が強くなっていく。
はじめにインストラクターから銃の構え方について詳しく指導があり、次に防音ヘッドホンを付けて射撃という流れになる。
射撃は紙でできた的を狙って撃つのだけど、ピストルは意外と狙ったところに命中する感じ。ライフルは照準器の見方が悪いのか、狙っているところに全然飛ばなかった。
射撃音はヘッドホンをしているのと、室内に防音対策がされているのでほとんど気にならない。過去にベトナムのクチトンネルで射撃をした時は、射撃音が一帯に響き渡っていて恐ろしいと感じたが、ここはそんなことはない。
射撃中は常にインストラクターが近くで見ていて安全管理がしっかりとされているので、そういう意味では安心できる。
どの銃もずっしりとした重さがあり、当たり前だがおもちゃのエアガンとは質感が全然違う。撃ってみて特に思ったことは9mm弾の威力の強さだ。体感で.22ロングライフル弾の1.5倍ぐらいの反動があり、最初マグナム弾を撃っているのかと思った(マグナム弾はもっと反動が強いのだろう)。
ゲームでは9mm弾はパン、パンみたいな表現で、最序盤から使える弱い武器のような位置づけだったりするが、実際に撃ってみるとそんな感じでは全然なく驚いた。これを片手で撃ったり、2丁拳銃したりする演出があるけれど、それは創作なんだと感じた。
射撃体験自体は、銃が3丁で10発ずつの一番安価なコースで30分ぐらいで終了し、最後に銃を持っているところを記念撮影してもらえる。終了後は再びインストラクターの案内に従って受付まで戻る。
結び
ハヌマンシューティングレンジに滞在して実際に銃を撃っている時間よりも往復の移動時間の方が長いし、それに金額もそこそこするので、万人におすすめできるアクティビティではないというのが率直な感想だ。
しかし、前書きで述べたように日本で実銃射撃ができる施設は存在しないし、人生一度はその経験があってもいいと思う。このハヌマンシューティングレンジはきちんと管理された施設で、インストラクターがついて指導してくれるので、射撃体験をする場所としてはかなり良いと思う。
プノンペンは正直観光名所が少なく、見どころが多いわけでもない。時間を持て余すぐらいなら、ここを訪れて楽しんでみるのはいかがだろうか。