AerのCityPackProをレビューします。このバックパックは個人的にかなり気に入っていて、欠点の無いバックパックだと思っています。
概要
- 価格:39,600円(X-pac版:45,100円)
- 容量:24L
- 重量:1,180g(X-pac版:1,130g)
- 寸法:46㎝×30.5㎝×19㎝
- 生産国:中国
素材
1680DデニールコーデュラバリスティックナイロンとX-pac VX-42の、2種類の生地で展開されていて、僕が選んだのはX-pacになる。
2つの違いとしては下記で、X-pac版は、
- 高価(約5,000円の違い)
- わずかに軽量(約50g)
- 裏地がオレンジ(バリスティックナイロン版はグレー)
- 全て止水ジッパー(バリスティックナイロン版はPCスリーブのジッパーのみ)
- 耐水性に優れる
主に耐水性と、裏地の色がオレンジかグレーなのかという違いがある。耐水性については、そんなに頻繁にバックパックを濡らすこともないので、見た目の好みで選んでしまっていいと思う。
どちらの生地を選んでも日常生活では十分すぎるほどの耐摩耗性があり、長く使っていても見た目の変化がほとんど無く、新品のようなコンディションを保ってくれる。
スタイル
City Pack Proは、同社のCity Packのデザインはそのままに、容量をアップしたという感じの作りになっている。名前からして、街中での使用することを想定して作られたバックパックだろう。通勤・通学などの日常使いはもちろん、数泊程度の旅行でも使うことができる。
クラムシェル構造になっていてメインポケットを大きく開けることができるので、荷物の出し入れがしやすい。また、Aerらしく多くのポケットがついていて、荷物を整理しつつ収納することができる。
注目すべきは、重量が1.2kg程度しかないこと。Aerのバックパックはしっかりと作られている分、重いのが特徴なのだけど、このCity Pack Proは24Lの容量がありながら、比較的軽量に抑えられている。City Packよりも容量が10L増えているのに、重量はほとんど変わっていないのが不思議だ。
背面は一面メッシュになっていて、暑い時期でも背中の蒸れを抑えてくれる。それに、ショルダーストラップは幅広かつ、厚みがあり、背負い心地がいい。また、チェストストラップはマグネットで脱着するタイプだ。
余ったショルダーストラップがぶらぶらしないような工夫がされているのも嬉しいところ。こういう細かいところにも気を配って作られているのが素晴らしい。
上部には分厚くて持ちやすいハンドルが付いている。他社のバックパックでここまで分厚いのはあまり見られなく、手持ちする時にとても快適だ。ただ、雨が降って濡れた時に、水を吸収して乾きにくいという弱点もある。本体は耐水性のある素材ですぐに乾くけれど、持ち手だけ湿っている状態が長く続く。
底面も一面X-pacが使われている。底面は、屋外の地面や床の上に置いたりして傷付きやすい部位でもあるが、今のところ全く劣化していない。
また、バックパック自体がボックス型のシルエットになっているので、自立するという特長がある。ただ、フロント上部のポケットに集中して物を入れている時は重心が偏るのか、自立しても少し触れただけで倒れてしまうこともある。
収納
ノートPCスリーブ
ノートPCスリーブは16インチのラップトップを収納できる大きさがある。仕切りがひとつ付いていて、タブレットとノートPCを分けて収納したり、書類を持ち運ぶのにも便利だ。
Travel Pack3はここにファスナー付のポケットがあったが、City Pack Proでは削除されている。
トップポケット
トップポケットは内側がスエードのような質感で、収納したサングラスやスマホの画面が傷つきにくいようになっている。大きさは長財布を入れたらいっぱいになるぐらい。
フロントポケット(上)
前面の上にもポケットがあり、取り出しやすく、小物を収納するのに向いている。内側には名刺入れが入るぐらいのポケットが1つと、ファスナー付の広いポケットが1つある。
同社のTravel PackやCity Packのフロントポケットと比較すると、City Pack Proのこれは簡素化されていて、半分までしか開かないようになっている。個人的にはこれぐらいの方が使いやすくていい。
フロントポケット(下)
前面下のポケットには特に仕切りはなく、「とりあえずここに入れておく」的な使い方に向いている。僕は不要なレシートなどのゴミや、寒い時期はマフラーや手袋を収納している。
メインポケット
メインポケットは2Lのペットボトルを3本入れても余裕があるぐらいの収納力がある。また、仕切りが1つと、ファスナー付きのポケットが2つあるので、小物を整理するのにも役立つ。
ウォーターボトルポケット
右側面にはウォーターボトルポケットがあり、水筒や折りたたみ傘を収納するのに適している。伸縮性のあるゴムによってサイズが伸び縮みするので、1ℓぐらい水筒であっても対応できると思う。
ここもX-pacが使われているので、濡れた傘やペットボトルの水滴が、メインポケットに浸み込まないようになっている。
左側面のポケット
左側面には縦にファスナーの付いたポケットがある。左肩だけで背負った状態でバックパックを前に持ってきた時に、ちょうどアクセスしやすい場所で、クイックアクセスポケットとして使用できる。
サイズ的には、大きめの長財布が入るぐらいのスペースがあり、小さい財布+スマホ+鍵ぐらいなら収納することができる。
まとめ
値段が高すぎる
価格がコーデュラバリスティックナイロン仕様で約40,000円、X-pac仕様で約45,000円もするので、高すぎると思う。一般的には、こういうカバンは1万円以上すると高い、2万円ぐらいでかなり高いぐらいの感覚だと思うが、これは4万円である。バックパックにこれだけの金額を出せるのは、よほどのこだわりがある人か、バックパックオタクぐらいだろうと想像する。
安く入手する方法として、アメリカの公式サイトから購入するという方法がある。しかし、アメリカでは209$もしくは235$で販売されているのだけど、昨今の円安の状況と送料・手数料を考えると、それほど得にはならないと思う。
ほぼ完璧
とはいえ、City Pack Proはそれだけの価格に見合う出来だと強く思っている。Aerのバックパックは共通して作りがしっかりとしていて、安っぽさを全く感じさせない。それに耐久性のある素材で長く使えるので、ずっと使うことを考えたら、この価格も納得できるかもしれない。
City Pack Proは使っていて不満に思うことがほとんど無い。強いて言うなら、雨が降った時に上部が水たまりのようになるのと、止水ファスナーが固く感じるのが気になるぐらいで、非常に完成度が高い。
以前Travel Pack3 smallをレビューしたが、それと比べると余計な機能を省いてその分軽量化した作りになっていて、日常使いをするならCity Pack Proの方が断然いい(Travel Pack3 smallは1.7kgもするし、日常使いするには機能が過剰だ)。
Travel Pack3 smallのレビュー記事はこちら↓
また、同社のCity Packと比較すると、あちらは容量が14Lしかなく収納力に大きな違いがある。基本的に大は小を兼ねるので、大きい方を選んだ方が後悔しない。重量もほとんど同じである。
結論としては、日常使いやちょっとした旅行にも使えるサイズで汎用性が高く、ほぼ完璧なバックパックと言える。参考になれば幸いです。